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半導体産業の最前線

2026年1月15日更新

スマホやAIなど、現代社会を支える半導体。その半導体の最前線を探るべく、Newton編集部長の板倉 龍さんが訪ねたのは、意外にもセラミックメーカーの日本ガイシ。

独自のセラミック技術で、半導体の進化に欠かせない“基盤”や“素材”を生み出しているという話を耳にし、その背景を日本ガイシの研究者に直接取材しました。

学生が多く参加したオンラインセミナーでは、日本ガイシならではの技術を深掘りし、「半導体産業のこれから」や「研究開発の仕事内容、求められるスキル」についても活発な意見交換が行われ、画面越しに熱気が伝わる盛り上がりとなりました。

Newrton板倉さん「セラミックスも半導体も多くは結晶構造によって特性を発揮します。無機材料(セラミックス)のスペシャリストである日本ガイシならではの、結晶を成長させたり、材料を磨いたりはりあわせる独自技術を活かした次世代ウエハーの数々を見てきました。」

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左から順に、
Newton編集部長 板倉 龍 さん(ナビゲーター)
日本ガイシ 研究開発本部 DS開発統括部 野中 健太朗 さん
日本ガイシ DS事業本部 電子デバイス事業部 大津 柚紀子 さん
bouncy編集長 津田 啓夢 さん(司会)

半導体の製造

半導体素材(現在の主流の素材はシリコン)を、薄い円盤状に加工した基板「ウエハー」。このウエハーの表面に微細な回路を形成し、切り分けて、スマホやAI等に使われる個々の半導体チップになります。

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出典:Newton増刊『半導体の未来』

半導体進化の課題

半導体チップは、回路や素子を微細化するほど処理速度や省エネ性能が向上するため、メーカー各社は微細加工の技術開発に力を注いできました。いまや一つの半導体チップ(CPUやメモリなど)の中に、1万分の1ミリメートル程度の極小のトランジスタが、数十億〜数千億個も集積されています。しかし、さらなる微細化は限界に近づき、製造コストや歩留まりの悪化といった課題も顕在化しています。

微細化の壁をこえる解決策

解決策:チップレット集積

異なる機能ごとに小さな集積回路(チップレット)をつくり、それらをつないで1つの半導体チップをつくる新しい設計方式。設計の自由度が高まり、製造コストや良品率の改善に貢献します。

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「チップレット」の概念図 出典:Newton増刊『半導体の未来』

Newton 板倉さん「1枚のウエハーの上でつくると、チップの一部に不良が発生しただけでチップ全体が不良品になってしまいます。しかし、チップレット集積なら失敗しにくく歩留まりが高くなるという利点があります。」

[注目の技術]ハイセラムキャリア 

日本ガイシが開発した「ハイセラムキャリア」は、チップレット集積の工程で活躍するセラミック製の「土台」。この上にチップレットを仮固定し、配線を形成して1つの高性能半導体チップに仕上げるために使われています。光を通す性質に加え、高い剛性と耐久性を兼ね備えた特殊な素材「ハイセラム」を採用しており、従来の材料(ガラス製)で課題となっていた製造時の反りや破損を大幅に低減します。

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直径30cmのハイセラムキャリア(写真右)の上で、多数の半導体チップが効率的につくられる
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レーザー光を使って接着面の薬剤を分解し、完成した半導体チップをきれいに剥がす

日本ガイシ 大津さん「セラミックスの微細構造は、光の透過性や強度に大きく影響します。そのため、構造解析を行いながら、より強く、変形しにくい材料の開発に取り組んでいます。」

生成AI用半導体のシビアな要求に応えるセラミック素材

Newton 板倉さん「チップレット集積の手法は、生成AI用の半導体製造に用いられています。」

日本ガイシ 大津さん「はい。画像や言語など膨大なデータを処理する生成AI用半導体は大型化しています。製造時にわずかでも土台の変形が大きいと、製品不良の原因になるため、剛性が高いハイセラムキャリアが選ばれています。」

Newton 板倉さん「AIが進化して基板が大きくなるほど、変形に対してすごくシビアになる。AIの進化を支えているのがハイセラムキャリアなんですね。」


解決策:ウエハー素材のイノベーション

従来のシリコン製ウエハーに代わり、より性能に優れた半導体素材を用いることで、半導体のさらなる高性能化を目指しています。現在、炭化ケイ素(SiC:シリコンカーバイド)や窒化ガリウム(GaN)などを採用した次世代ウエハーの開発が進められています。

[注目の技術]複合ウエハー 

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異なる素材のウエハーを、接着剤を使わずに原子間で直接はりあわせたウエハー。現在は、スマホやタブレットの周波数フィルター用途で活用され、通信品質の向上に役立っていますが、将来的には次世代半導体の開発にも活用できると期待されています。

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Newton 板倉さん「原子レベルで、二度と離れないほど強固に直接はりあわせる、ものすごい技術の結晶です。2つの素材の長所を掛け合わせたり、狙った機能をパワーアップさせたりして、今までにない新ウエハーの誕生が期待されます。」

日本ガイシ 野中さん「光通信の高速化・低消費電力化、beyond5Gや6Gなどの超高速無線通信に寄与するウエハーも検討しています。次世代半導体として注目の窒化ガリウムウエハーについても、複合ウエハーの技術を活用することで、さらに省エネ性能を向上させ、カーボンニュートラルに貢献できると考えています。」

Newton 板倉さん「AIの利用が広がって、今後ますます電力消費が増えることが大きな課題となっていますから、省エネ性能の向上は、非常に重要なものとなりますね。まさに世界を救うスーパーウエハー!」

電力を制御し、電力ロスを抑えるパワー半導体として、窒化ガリウムのウエハーを使うことで、省エネ化や再生可能エネルギーの発電効率向上に貢献。 さらに、複合ウエハーの技術と組み合わせて、より脱炭素に貢献できる基板も研究開発中。

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2025年7月にオープンした日本ガイシの共創施設NGK Collaboration Square 「DIVERS」から配信

日本ガイシの技術について詳しくはこちら

日本ガイシ株式会社公式HP https://www.ngk.co.jp/

日本ガイシの解決テクノロジー https://www.ngk.co.jp/kaiketsu/

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